先日、NewzooとGamma Dataは中国、アメリカ、日本、韓国及びその他各国のモバイルゲーム市場の動向を分析した「2021年･世界のモバイルゲーム市場における企業競争力分析報告」を発表しました。このレポートでは2021年の世界のモバイルゲーム市場の発展傾向や各国の国内ゲーム企業の競争力を研究開発、配信、既存製品、開発中の製品などから多面的に分析しています。同時に公開された「2021年･中国モバイルゲーム市場競争力ベスト25」にランクインしたHERO GAMESについては以下の様に結論付けられています。

■多様なカテゴリーと世界各国での配信事業で優位に立っている

レポートによると、HERO GAMESは「多様なカテゴリーの有効性」「年間売上1億元（約20億円）以上で運営年数が2年以上の製品数」「過去3年間でリリースした製品がiOS無料ランキングでトップ10入りした累積日数」「過去3年間で配信した製品の数」などの項目で高いスコアを獲得しています。

Gamma DataはHERO GAMESが上記の項目で高いスコアを獲得した理由は主に「カテゴリーの多様化」と「グローバル配信の優位性」の2点だと指摘しています。

まず、「カテゴリーの多様性」については、サンドボックス系のシューティングゲーム、高品質な体験型ゲームやデータ型ゲームのジャンルにおいて優位性を築いたことが現在の研究開発力の基礎となっていると見られています。調査によると、2001年に1800人を超えたHERO GAMESの研究開発人員はこの1年でさらに数を増やし、それにより技術開発力が飛躍的に発展しています。また、「Kuro Games」、「Game Sciences」、「VSPO」などの企業へ投資することでよりコアな分野において優位性を確保すると同時に、ゲームの品質向上も可能となりました。例えば、HERO GAMESが投資し共同制作している『Black Myth: Goku』はUE5を使用して開発されており、技術的にも高品質な作品となっています。

次に「グローバル配信の優位性」について、HERO GAMESはこの1年でグローバル市場への参入を推し進めてきました。ユーザーのニーズに応じて中国では『シャドウブレード3』や『ソウルタイド』を、香港、マカオ、台湾、日本や韓国などでは『パニシング:グレイレイヴン』を共同配信するなど、二次元系ゲームのコアユーザーを獲得してきました。

■多様なカテゴリーに対応できる強み

Gamma Dataの試算によると、過去1年間でHERO GAMESの収益に最も貢献した製品は『パニシング:グレイレイヴン』、『創造と魔法』、『シャドウブレード3』の3タイトルです。

『パニシング:グレイレイヴン』は2019年のサービス開始以来、ARPGのコアユーザーの獲得に大きく貢献しています。またサンドボックス系ゲームの『創造と魔法』は2018年に、『シャドウブレード3』は2021年にサービスが開始されています。 Gamma DataはHERO GAMESが多様なカテゴリーにおいて優位性の形成できたのはこの3つの主力製品によるところが大きいと考えています。その理由は自社開発または投資に関わらず、HERO GAMESが求める高品質なゲームを製作できる研究開発力を有していることと、ユーザーのニーズをよく把握しているからです。また、先に触れた研究開発人員の増員もHERO GAMESが研究開発を重視しているということを示唆しています。さらに新しい技術を用いたゲーム開発はHERO GAMESの品質向上に対する意欲の現れでもあります。

■グローバルな運営能力

HERO GAMESの海外での収益は過去1年間で急速に成長しています。その主な要因は『パニシング:グレイレイヴン』の好調な売上です。2021年7月にサービスが開始された韓国ではiOSデイリーベストセラーのトップ3にランクインしました。また2020年12月にサービスが開始した日本では累計で1億元以上の収益を得ています。このように日本と韓国はHERO GAMESの海外事業において成長著しい市場となっています。

Gamma Dataは日本と韓国はグローバル展開における重要な地域であると考えています。特に日本にはレベルの高いゲームユーザーが多数存在していると見ています。HERO GAMESが日本で急速にユーザー数を獲得したことはHERO GAMESが現地のユーザーの特性や嗜好または日本のゲーム関連企業のブランド力を深く掘り下げる能力を有していることを証明しています。これはグローバル展開する上での重要な基盤であると考えられています。

■トレンドの分析力

Gamma DataはHERO GAMESの研究開発力と配信力は今後も成長すると考えています。質の高いグローバル化を目標に、地域ごとに異なる戦略を採用することにより、研究開発と配信という2つの領域で優位性を拡大し続ける見通しです。

まず中国国内では自社開発の新世代製品である「Create！ Our Planet」や「Wind Fantasy: Legend of Destiny」を中心にサンドボックス系のシューティングゲーム、高品質な体験型ゲームやデータ型ゲームの市場を深掘りしていくと見られています。これらは自社開発が主となると考えられます。

次に海外市場では放置系カードゲームとうジャンルで欧米市場に進出する見込みです。今後はローカライズとゲームデータの最適化に重点を置き、海外人材を採用するなどしてゲームのクオリティを底上げし、より良いゲーム体験を提供することで現地ユーザーの認知度を向上させていく方針です。